「ジュロコロ基金」について
父が亡くなって以来、自分の命の意味についてより一層深く考えるようになりました。自分はなんのために生まれて、何をしていつか死んでいくのかと言うことです。
父は、兎にも角にもロッカーだったので、ことあるごとに、「世界で一番大切なものはLOVE &PEACEなのだぞ」と僕に言い聞かせながらに僕を育てました。僕は幼い頃から世界に起きているたくさんの問題、どこかの誰かの涙の理由について考え続けて生きてきました。10代も終わる頃に進路という形で自分の将来を見据えなばならなかった時、僕は、具体的にどう言う形で世界と関わっていけば良いのかと考え、自分はアートの力で世界を変えるタイプの人間だと結論づけました。
世界に対しての知識が足りないまま正義感だけで盛り上がる革命ごっこをしてしまうことだけは避けたいと恐れ、僕は世界の問題や歴史、最新の研究、それらと文化の関係について高い水準で学ぶことのできる大学に入って学ぶことにしました。
その場所で僕は偶然演劇という手段と出会い没頭し、父のような一流のアーティストにならなくてはならないと、がむしゃらにひた走り続けました。ありがたいことに、いつからか、少しずつ自分の生み出した物語が人々に届くようになりました。
「物語は世界を変える」そう言い続けてきました。それは、「物語は人を変える、人が変われば世界は変わる」という理論です。おそらく、僕は、僕らは、これまでにいくらか世界を変えることができてきたのだと思います。
今年、最愛の父を亡くしました。父が大病を患い始めた昨年から、僕は今一度、具体的に世界を変える方法を考え始めました。物語の力を用いて遠い未来に向けてゆっくり世界を変えてゆくことも大切だけれど、今この瞬間に助けを求めている人に対してほんの少しでも何かできないのかと考え、昨年から新たに様々なことを勉強し始めました。
SDG’sに関する資料も取り寄せて読んでみました。SDG’sとは2030年までに解決をしたい世界の問題を、国連が17項目にまとめ上げたというものです。多くは、幼少期から至る所で見聞きしてきた問題たちで、資料を読み、さらに調べることで、問題意識は高まりました。しかし、そのどれに関してもあまりに大きな問題で、僕のような一人の人間が、具体的にどう手を出すことが解決のための貢献になるのかがわかりませんでした。
そこで、僕は国連公認の支援団体に所属しているチャリティアドバイザーをアトリエに招いて、自分のような一人の人間が、どう世界の問題に関わっていけばいいのかを尋ねました。彼は日頃の活動の中での経験や知識をもとにたくさんの話を包み隠さず伝えてくださいました。
まずは、SDG’sに関心を抱く人間が極めて少ないことを踏まえて、そこに意識を持ってくださる方がすこしでも増えるだけで嬉しい、ということでした。例えどんな形であれ、そこに問題が存在するということを認識する人が増えるというだけで、世界の何かは変わっていくと言ってくださったのです。 僕は特に命の危機に瀕している子供たちのためのことを積極的に取り組みたいと考えていたため、その意思を伝えて何時間も話し合いアドバイスをいただいた結果、僕は手始めに、カンボジアに井戸と学校をつくることを目指し動き始めることにしました。
水の問題は発展途上国における深刻な問題の一つです。雑菌だらけの泥水を飲むしかない地域がカンボジアにはまだたくさんあり、井戸が一つ増えるだけで、その一帯の住人数百名の命のリスクが一気に下がると言います。
教育施設が圧倒的に不足している地域では、人々は危険な肉体労働を低賃金で続けるしかなく、それゆえに学校へもいけず、学校へ行けないがゆえに、他の仕事に就くこともできないと言う負のスパイラルが何世代も続いていくのだそうです。
一時的な緊急支援は常に必要ではあるけれど、長期的な目線では国や地域の住人たちの力で発展させていかなければなりません。そのためにも、教育は不可欠です。
では、学校は幾らで創ることができるのかを聞いてみました。決して安い金額ではなくとも、いくつもの命の値段だとしたらあまりに破格であるように思いました。僕一人では無理だとしても、「僕ら」であればどうにかできるように思ったのです。
お金はすべてではない。でも、お金で救える命もあるし、お金でしか救えない命もあるようです。
この瞬間、日本の僕らが当たり前と思っている最低限の生活もできず苦しんでいる子たちがいると想像してみると、シンプルに居ても立ってもいられない気持ちになります。僕は持ち前の想像力をフルにフルに発揮しながら、できる限り具体的に、子供たちの顔を想像してみます。その後で、その子供たちが笑う姿と、豊かな大人になって生きていく日々のことを、想像します。世界中の全てを同時に変える力は僕にはないけれど、少しでも何かをすれば、少しでも、1人でも、たった1日でも救うことができると考えれば、方法のわかった今、何もしない理由は僕に見つかりません。
これから先、僕らのようにエンターテイメントの世界で生きる人間と世界に向けての支援活動とは今よりも密接なものになっていくべきだと僕は考えています。作品や活動に賛同してくださる方々と一丸となって、子供たちに贈り物をしていくことが、当たり前になればいい。 少しでも早いほうがいいと考えたため、今回はイベントのチケット料金、グッズ販売料に加え、劇団の「言い値公演」の時と同じシステムでお金を募りますが、現在「ジュロコロ基金」と言うものを立ち上げて窓口にしていくことを進めています。この窓口を用いて、活動に賛同してくださる様々な友人、アーティストと共に継続的に支援を行なっていくことができればと思っています。
僕の物語に登場する、人にものを贈りたくてたまらないアゲタガリや、他人の涙を飲み干してくれるジュロコロのように。どうか、この活動が僕らの物語になればと思っています。 どこか同じ空の下に住む、会えばきっと友人になってしまえる誰かのことを想像して。
2021.12.01 末原拓馬
賛同してくださった方へ
「ジュロコロ基金」の活動の第一歩として、チャリティグッズを販売し、
収益はカンボジアに井戸をほり、
学校を建設するための資金とします。寄付も募ります。
ぜひそれぞれの形で、それぞれのできる範囲で
このプロジェクトにご参加ください。
チャリティGOODSを
購入する・寄付する
チャリティーGOODS・寄付
こちらのグッズの収益・寄付はすべて、カンボジアに井戸と学校をつくる資金となります
<第1期販売期間>
2021年12月20日(月)〜1月10日(日)
<終了いたしました>
お好きなグッズや希望の募金額を選択肢カートに追加し、決済へとお進みください。お支払い方法は「クレジットカード決済」と「銀行振込」です。また、金額と個数を組み合わせることで細かい金額の募金も可能です。
発送商品をご購入の場合、1回の会計につき別途500円の送料がかかります。
<新商品一覧>
・末原拓馬イラスト卓上リングカレンダー2022
2,200円
・2021年を忘れないための本
2,500円
・末原拓馬キャンバスアート
5,000円〜言い値
末原拓馬キャンバスアート<原画>について
末原拓馬キャンバスアートは、「末原拓馬のひとりじゃできねぇもん World 〜浮世の万国〜」の会場と、特設オンラインショップにて販売いたします。料金は5千円からの言い値となります。
収益はすべて、カンボジアに井戸と学校をつくるための資金といたします。
<オンラインショップでの購入方法>
5千円〜10万円までの金額が設定された「キャンバスアート」がございます。お好きな金額を選択し商品代をお支払いください。どの金額をお選びいただいた方にも、商品はランダムでお届けします。世界にひとつだけの作品との出会いをお楽しみください。
後日、商品をご指定の住所に発送いたします。
※お一人1点までとさせていただいておりましたが、上限は解除することといたしました。そのため「キャンバスアート」を選択いただいた数量分、商品をお届けいたします。1つの「キャンバスアート」により細かい金額でご購入いただける場合は、「寄付」との組み合わせでご購入ください。(2021.12.22)
お問い合わせ
officemonogatalina@gmail.com